ここでは鉄系材料の性質制御の第2ステップ「鍛える」プロセスを概説します。
(1)「鍛える」プロセス
材料組成で材料の性質を制御した後に、鍛造や焼入れなどの工法で性能改善が可能です。
大雑把には、鍛錬と熱錬の2種類の「鍛える」プロセスがあります。
(2)「鍛える」プロセスの前処理の重要性
一般に購入する鋼材は素材生産プロセスの圧延や鍛造で板形状や棒形状に成形され、納品されます。この状態では、素材内部に残留応力や不ぞろいな結晶粒などが残っています。
精密な機械部品を製作するには、素材に残る残留応力などを焼なまし処理(例:800〜850℃、空冷)を行い、「素直な」素材に戻す必要があります。この処理を省き「鍛える」プロセス:熱処理を行うと変形が現われます。