LCA(ローコストオートメーション)を効果的に実行するためには、まず「良い設計」の思想を理解した上で、LCAの構想を行う必要があります。

 LCAの「良い設計」について考えてみましょう。
 設計製作されるLCAを評価する最も身近なユーザーは、それを使用する製造現場のオペレータです。したがって、LCA設計者は、オペレータに対して「良い」提案ができる能力が最も必要となります。そのためには下記の能力がLCA設計者には必要です。

  1. 製品について知識がある
  2. 製品の製造プロセスとその作業内容に熟知している
  3. 製品のコスト構成が理解できる
  4. 関連する生産技術についての見識を持っている(または、理解できる)

 また、「良い」という表現の言葉は、その時代のニーズに応じてさまざまに変転しています。初期の自動化以降、投資対生産性効果のコストパフォーマンスを評価基準とする企業完結的な視点が主でしたが、最近では、社会システム(例えば、廃棄処分費用)への影響度も評価視点として問われています。代表例として、ライフサイクルコスト(LCC:注記-1参照)の項目も重要な検討課題となりました。

※ 注記-1
ライフサイクルコスト(LCC : Life Cycle Cost)
 ハードウェアの開発製作から廃棄処分するまでに要するトータルのコストパフォーマンスを評価する考えです。下記の式で定量評価が行われます。

数式(コスト有効度)

 したがって、LCA設計者は身近なオペレータからのニーズと併せて、社会システムとの関連も含め効果的な設計をする必要があります。機能面で含まれるべきキーワードと「良い」LCAは次の項目に集約できます。

LCAの必要機能 (VQCDPSL) 目指すべき「良い」LCA
V:価値(Value)の機能を実現させるLCA 製品仕様を最小のばらつきで実現させるLCA
Q:品質(Quality)の同上 不良ゼロで製品品質を実現させるLCA
C:コスト(Cost)の同上 償却費が小さいLCA
D:タイミング(Delivery)の同上 製作期間が短い、変種対応が容易なLCA
P:生産性(Productivity)の同上 使いやすく変種対応が容易なLCA
S:安全性(Safety)の同上 安心して使えるLCA
L:ライフサイクルコスト(LCC)パフォーマンスが高いLCA 維持費、廃却費が少ないLCA