コーティング
- 商品開発の経緯 絞り工程ではパンチ・ダイへのコーティングが主流になっています。一方でミスミでは絞りダイの表面処理商品を規格化しておらず、多くのお客様がご購入後に自社で表面処理を施している状況でした。近年その改善を図るために、絞りダイの表面処理商品を規格化してほしいという声が多く寄せられていたため今回標準品としての販売を決定しました。 特長 1)摺動性の向上 絞りダイにコーティングを施すことで摺動性が向上し、カジリ・焼き付きの抑制やスムーズな製品ノックアウトが実現できます。 2)ワンストップ化 ダイ製作、コーティング前のラップ処理、コーティング、コーティング後のラップ処理までをミスミがワンストップ化することで、お客様の工数・時間・費用の削減に貢献します。
- 切削工具選定時に、「コーティング」の有無で悩むことがあるだろう。コーティングされた切削工具を適切に使用すれば、工具の長寿命化などの効果が見込める。ここでは切削工具のコーティングの基本的な効果と、選定のポイントを紹介する。 切削工具のコーティングって必要?期待できる4つの効果とは コーティング工具の選定は、加工内容、被削材との相性を考慮することが重要 切削工具のコーティングって必要?期待できる4つの効果とは 切削工具の母材に限らず、物質には「硬さ」と「じん性」の関係がある。「硬さ」と「じん性」は、反する性質であり、両方を兼ね備えた「1つの物質」はない。しかし、昨今の高能率な加工に必要な工具には「硬く、ねばい(欠けにくい)」性質が求められる。それを両立させるために、コーティングが開発されるようになった。つまり「じん性がある母材」に「硬さをもつコーティング」を施す方法で両立させようということだ。もちろんコーティング自体も、硬ければ硬いほど、もろく欠けやすいものになる。タグ:
- パンチ&ダイの表面処理とは パンチ&ダイの表面処理とは、ショットピーニングや窒化処理による母材自体の表面改質や、その上に薄い硬質膜(コーティング)を乗せることで、耐摩耗性を飛躍的に向上させ長寿命化を実現する技術です。ミスミではお客さまのプレス環境の変化に合わせてさまざまな下地処理やコーティングをパンチやボタンダイに施してきました。お客さまの課題に最適な表面処理を選定することでメンテナンス工数やトータルコストを大幅に削減することが可能です。
- はじめに 自動車業界では近年、軽量化・安全性向上の世界的な要求の高まりにより、高張力鋼板(ハイテン材)の使用が拡大しています。 高張力鋼板の打ち抜き条件は年々過酷になっており、早期摩耗やチッピングが問題となっています。 そのため、パンチの高寿命化に関心がよせられています。 この課題を解決するために、「皮膜の密着性」、「耐摩耗性」を向上させたコーティングパンチを商品化しました。 このコーティングパンチ・改良品は従来品に比べ大幅に寿命が向上しています。 コーティングパンチ改良品の特長 コーティング皮膜の密着性の向上 皮膜と母材の密着性が強固でないと、優れた皮膜特性を持っていても外部からの応力によって皮膜は早期に剥離します。 そこで皮膜の密着力を評価をするため、ロックウェル硬さ計(Cスケール)を用いた圧痕試験を実施し、皮膜の剥離状態を観察しました。 従来品では膜の剥離、及び亀裂が発生しているのに対し、改良品では剥離が発生せず、皮膜の密着性が向上していることが分かります。(図1)
- DLCコーティングパンチとは アルミニウム合金を中心とした非鉄金属材料のプレス加工は製品の軽量化と塑性加工のしやすさから広く採用されるようになってきました。アルミニウムは鋼に比べ低融点・低硬度であるためパンチやパイロットパンチの刃先に凝着しやすく、穴径の精度不良やミスフィード等のトラブルを引き起こし、プレス加工現場で問題となっています。 凝着はパンチ(鋼)とアルミニウムとの親和性が高いことにより発生します。パンチ刃先のラップ処理やTiCNコーティングを施してもこの凝着の問題は解決できず、より平滑で摩擦係数の低いDLCコーティングの使用が増加しています。 従来のDLCコーティングは高硬度である一方、パンチ母材に対する密着性が悪く、早期剥離による凝着の発生が課題となっていました。 ミスミDLCコーティングはダイヤモンドの組成に極めて近い非結晶炭素膜であり、従来のDLCコーティングと比較して高硬度且つ高い密着性を有したコーティングです。凝着と凝着物の脱落によるパンチ刃先の損耗に効果があります。
- 概要 ミスミ「HWコート」をはじめとした多種多様な表面処理パンチは自動車業界を中心に多くのお客様にご使用いただき、高い評価をいただいています。 一方で、超ハイテンや厚板ハイテン材の加工などの過酷なプレス加工が年々増え、HWコートを含めた従来品ではコーティングの早期摩耗や剥離が発生するため、パンチのさらなる長寿命化を要望する声がよせられています。 ミスミではハイテン材や厚板の打ち抜きで耐摩耗性向上・長寿命化を実現するAl-Cr系コーティング(RWコート/RXコート)のパンチを用意しています。 ミスミの「RWコート/RXコート」は従来品や他社品に比べ、耐摩耗性と密着性に優れ、パンチの寿命を大幅に向上しており、ハイテン材をお使いの現場にもおすすめです。 今後さらなる超ハイテン化が進むと、金型部品にかかる負荷も増大し「RWコート/RXコート」や他社のAl-Cr系コートでも耐摩耗性不足の課題を感じるケースが増えてくると考えられます。そのような環境の変化に対応するため、ミスミでは「RWコート/RXコート」よりもさらに耐摩耗性の高い「RPコート(Al-Cr系コート+α処理®)」も用意しています。
- 概要 ミスミのパンチに適用されるTiCNコーティングはPVD方式(物理蒸着)によるコーティングです。TiCNコーティングは高硬度、低摩擦係数でパンチの耐摩耗性を向上し、現場のメンテナンス工数削減や製品の品質向上に貢献します。 処理温度は500℃未満のため、焼き戻し温度が500℃以上の母材を硬度低下あるいは寸法変化させることなくコーティング可能です。したがって処理後の寸法・精度が保証されているので、膜厚や変寸を考慮した寸法管理をする必要がありません。