これまで各種の洗浄方法について紹介してきましたが、今週は、どの位、清浄化されたかを示す、清浄度の試験法について述べることにします。
各種の洗浄方法によって洗浄された金属表面の洗浄度を評価する方法は、残念ながら現在でも適確なものがありません。これは要求される清浄度が、清浄化の次に行う表面処理によって異なるからです。
作業現場では、経験を基礎においた、水玉試験や水切り試験が行われていますが、原理が単純で、簡単に、短時間に行えるなど、極めて現場的な方法であるからです。現在各種の産業で行われている清浄度試験法としては、次のような方法が採用されています。
(1)目視試験:
あらかじめ定めた基準と照合して、金属表面のシミ、酸化膜を目視で調べます。
(2)拭取り試験:
ティッシュペーパー、ろ紙、白布などで、金属表面を拭いて、拭取った汚れの状態を調べます。単純な方法でありますが、他の試験で見逃す微粒子の検出に効果があります。
濡れた面と乾いた面では、濡れた面の場合のほうが微粒子汚れを検出し易いが、拭取りの際の圧力が重要で、酸洗いした後の冷延鋼板上のスマットと呼ばれる微粒子を検出するためには、強く拭取ることが必要です。
(3)水濡れ試験:
この試験は、金属表面に油がなければ親水性であり、水膜を保持するという性質を利用したもので、金属表面を水で濡らすだけですから、簡便な非破壊試験で、広く用いられています。試験の注意点は、(1)水は清浄で冷水であること。温水は蒸発が早く、錆の発生を促すので不可。(2)水濡れ試験の感度は、水膜の厚さに依存し、薄いほど感度は良い。
以下、詳しく説明しましょう。
4)スプレーパターン試験
5)アトマイザー試験
6)蛍光試験
7)接触角試験
8)放射性トレーサー試験
9)発錆試験
10)めっき試験
11)磨耗係数測定法
12)接触電位差試験
13)その他