(11)摩擦係数測定法
金属表面に強く吸着している潤滑剤は摩擦係数を低下させます。同様に金属表面に有機物が存在する程度、すなわち汚染の程度によっても摩擦係数は変わります。
この原理を応用して、【図1】に示すようなスライダーを汚染された金属の表面を滑らせ、そのときスライダーにかかる力をひずみゲージで変換して摩擦係数を計測します。
汚染物質による潤滑の大小の判定には、スライダーの荷重を変えたり、摩擦力の時間的変化を求めて行います。
(12)接触電位差試験
金属表面に吸着した有機物が、金属によく密着するか否かは、それと金属との親和力が関係するといいます。この原理を利用して、接触電位差を測定して汚染の程度を測定する方法です。
接触電位差とは、清浄金属面と、その金属を有機物で汚染させた面との間の電位差のことで、汚染がなければその値はゼロで、汚染に応じて値は変化します。【表1】に、金属表面に吸着したステアリン酸の電位差を示しました。同じステアリン酸の単分子汚染でも、白金と酸化ニッケルでは、その除去に差があります。その理由は吸着力に差があることによります。
【表1】金属表面に単分子吸着したステアリン酸の除去
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(13)その他
このほか、秤量法、エリプソメトリー法、などがあります。