クイックダイチェンジ(QDC)金型は「迅速交換金型」とも呼ばれるものです。【図1】がそのシステムを示しています。QDCホルダとQDC金型から構成されています。
QDCホルダは、ダイセットにクランプとロケーションピンを有した構造のものです。ロケーションピンはノブで上下します。ロケーションピンは、ダイセットと金型に入れられるダウエルピン(ノックピン)が可動式になったものと考えられます。クランプはメカニカルまたは油圧等で、ワンタッチでロックできるように工夫されています。
QDC金型(【図2】)はベースプレートに組立られます。ベースプレートにはQDCユニットのロケーションピンに合わせてあります。QDC金型は短時間での金型交換ができ、かつ金型製作費も安くなることをねらいとしています。多新種少量生産品に対応するねらいから考案されたものです。金型重量が重くなると金型交換が大変になるため、人が持って取り扱えるような小形のものに多く利用されています。
このような構造のQDCシステムでは、QDC金型製作の際に型合わせジグが必要となります。
短時間で金型を交換する考えが一般の金型にも波及して「シングル段取り」という改善がはやりました。10分未満で金型段取りが完了できるように工夫したものです。ダイハイト、送り線高さ、クランプ高さやクランプの方法、及び金型の平行出しの方法等が主な改善ポイントです。