型上に残った製品を型外に排出する、最も簡単な方法がエアーで吹き飛ばすことです。【図1】がそのイメージです。金型の外側にエアーノズルを取り付けて、そこからエアーを吹きます。上型は上死点近くにあることが多いと思います。このような状態でノズルからエアーを吹くと、エアーは拡散して広がり、製品は思わぬ方向へ飛ぶことがあります。ときにはダイセットのガイドポスト等に当たり、跳ね返って型内に入り込み、トラブルを起こすこともあります。
【図2】は型内に可動式のノズルを取り付けた例です。ストリッパの動きに合わせて可動します。【図】ではノズルが上昇してエアーが吹かれています。この時ストリッパはまだ上昇途中で、ノズルから出たエアーはストリッパとダイプレートの間を流れるため拡散することなく製品を一定方向に飛ばすことができます。
汎用のノズルを金型の外に取り付けエアー飛ばしする際には、飛び方向を確認して調整する必要があり時間が掛かります。型内にエアーノズルを付けることは金型製作が多少面倒になりますが、段取り時間短縮にも効果があります。
【図3】は上型に使用した例です。総抜き加工や逆配置構造を採用した絞り加工では、上型のダイ内に入り込んだ製品をノックアウトで排出します。排出された製品はエアーで飛ばされることが多いのですが、飛び方向の安定と段取り時間短縮を兼ねた使用方法の例です。