【図1】は、コイル材を利用した自動化システムの構成を示しています。
構成としては、まずコイル材を保持して、巻きほぐす装置が必要です。これをアンコイラと呼びます。軽量なコイル材から1トンを越える重量級のものまであります。また、薄い材料、厚い材料もあります。その内容に合わせてアンコイラには、いくつかのタイプがあります。
アンコイラから巻きほぐされた材料は、たるんだ状態を作ります。このたるみをループと呼びます。
ループ部分の材料は送り装置によって金型内に送り込まれ、たるんだ状態から張った状態に変化します。この変化を検知してアンコイラから材料を巻きほぐします。ループのたるみと張りを検知してコントロールすることを、ループコントロールと呼びます。自動化システムの大事な部分です。
巻きほぐされた材料は、コイルの巻きぐせ等のひずみを持っていることがあります。厚板になるとこのような傾向は強くなります。そのまま材料を金型内に送り込むと、加工ミスの原因となったりします。この対策としてレベラーを用いて材料のひずみ取りを行い、加工に問題がないようにすることもあります。
材料の送り装置は自動化での重要な設備です。送り装置は大別すると、掴んで送るグリッパーフィーダと、ローラーの回転を利用して送るローラーフィーダがあります。送り装置は送り精度がプレス加工品質に直結しますから、いろいろな機構を使い精度対応が考えられています。
金型内では、スクラップ取り出し用のコンベアー等の機器や、スクラップカッタ等が使われます。
加工された製品の取り出しの工夫もあります。
金型をプレス機械に取り付けるための工夫。小さい金型であれば手での取り扱いもそう苦にもなりませんが、金型が大きくなると工夫が必要になってきます。そのための用具もあります。
プレスの自動加工では、金型とプレス機械以外にいろいろな周辺設備が必要となります。