Q
カール加工で丸くならないが?
A
カール加工は材料の縁を小さく丸める加工です。そのときに【写真1】に示すように、丸めた一部が丸くならずに直線になってしまうことがあります。材料の縁の強度対策や安全対策であれば問題ないこともありますが、写真のようなヒンジではできるだけ軸の丸さに合っている方がよいです。また、カール部分は外から見える部分となることも多いので、外観的にもきれいな形が望ましいです。
カール加工では、【図1】に示すように先端予備曲げを行っておき、その後にカールします。カール加工は型の面を滑るように材料が移動しながら、座屈して形状が作られます。先端の予備曲げがないと、材料が型面を滑っていくときに材料の縁から座屈が始まらずに、少し直線を残して座屈するために、【写真1】のような形状となります。この対策が先端の予備曲げです。この工程を入れることで、【写真2】に示すようなきれいな形状を得ることができます。
カール曲げでは、外形形状と寸法は何とか確保することができますが、内径形状はカールに伴う板厚変化の影響を受けて、丸くなりません。寸法も出しにくいです。ヒンジの軸受けとして丸くしましょうと先述しましたが、内径をきれいな丸にするのは難しいことです。