Q
シェービングとは、ストリッパやダイに突起をつけて加工する方法をいう?
A
間違い。ストリッパやダイに突起をつけて加工する方法は、精密せん断加工(ファインブランキング)である。
解説:
シェービングとは、普通抜きされた外形抜きや穴抜きの切り口面を改善する加工方法です。改善の内容としては、切り口面から破断面をなくしてせん断面としたり、板厚面と切り口面の直角度を向上するといった内容です。もちろん寸法精度の向上も含んでいます。シェービングをするには、普通抜き形状をわずかに大きくしておきます。これをシェービング代と呼びます。シェービングはわずかに大きくしたシェービング代を削り取る加工です(【図1】参照)。削り取る量はそれほど大きくすることはできません。板厚の10%ぐらいが限度です。板厚が厚くなると1回のシェービングでは取り切れずに、複数回のシェービングが必要になることもあります。スクラップの処理もおこないにくいです。金型は比較的容易に作ることができますが、効率的な加工といえない部分があります。
ファインブランキングとは【図2】に示すように、材料にストリッパのV突起を押し込み、ダイ内に逆押さえ用のパッドを組み込んで、材料を強く拘束した状態で抜き、クリアランスを極小にしておこなう抜き加工です。金型は複雑なものとなりますが、1工程で破断面の無い切り口面を作り出すことができます。