仕上げ抜きは、きれいな切り口面を得るための抜き加工です。仕上げ抜きではクリアランスをほぼゼロにします。そして、パンチまたはダイの刃先に丸みを付け破断の発生を遅らせることで、きれいな切り口面を作ります。
ブランク加工の時には【図1】に示すようにダイの刃先に丸みを付けます。穴抜き加工の時には、逆にパンチの刃先に丸みを付けます。
刃先に付けるのは丸みが基本ですが、面取りでもOKです。加工力が分散して破断が遅くなるようにすればよいわけです。この加工のポイントは、クリアランスと刃先を殺す(丸みまたは面取りをする)ことにあります。
丸みの大きさは半径で0.2mm〜1.0mm程度です。丸みを大きくすることで破断は遅れ、切り口面はきれいになりますが、だれ、湾曲およびバリが大きくなります。したがって、刃先の丸み(面取りは)必要最小限にすることが必要です。
刃先の丸みと湾曲の関係は、ほぼ直線で変化します。丸み半径0.5mmと1.0mmでは、湾曲はほぼ倍の大きさとなります。
ストリッピング力は丸み半径が小さいほど大きくなります。