曲げフランジの高さがだんだんと低くなると、曲げがうまくできずに変形します。何とか形状を保てるフランジ高さの最小値の目安が【図1】です。変形の状態を説明したものが【図2】です。
曲げ外側の材料は引っ張りを受け、フランジ端部を下げようとします。曲げ内側の材料は圧縮され、フランジ端部を押し上げようとします。この両者は逆の方向に働いているため、フランジ端部は傾きます。
この両者力関係は外側の引張りの方が強く、フランジ端部の変形だけでなくフランジを外側にねじるように働きます。このような変形に耐えられなくなった位置が曲げの最小高さです。
【図3】のような形状はa部が変型する例としてよく使われています。
この形状を曲げ最小高さ(bの線)で切ってみると、aの変形部位が曲げ最小高さ以下の部分とほぼ一致します。
同様に曲げに接近した穴(【図4】)も曲げの最小高さから眺めるとその理由が一目で分かると思います。
ひとつの現象で他の現象も眺めることも必要でしょう。思わぬ解決策が見えてくることがあるかもしれません。