工場レベルやフロアー単位での配管径の設計は、現在のみならず将来の需要予測を想定して選定します。また、長年使用すると管の内壁にスケールやちりが付着するため、流量効率が低下する傾向になります。このようなことから、一般には現状の必要規模に対する配管径よりひとまわり大きな管径が採用されます。
おおよそ、管径をひとまわり大きくすると、気体流量は約3倍流れることに対して、管の材料費増加率は約50%です。このため大きな管径の選択が一般には有益といえます。
管径の設計のポイントは、全配管系を配送管系と操作管系の2グループに分け、次の項目について設計・選定することです。
- 圧送する空気量
- 空気圧機器で使用する最高使用空気圧力
- 配管の長さ
- 配管中の継ぎ手類とその数
配送管系と操作管系の設計について、それぞれ解説します。
- 配管末端での圧力降下量を0.5Kg/cm2以下におさえる。
- 配管系で使用予定の空気圧機器の全消費空気量に対して管径を選定。
- 導入圧力は使用予定の空気圧機器の最高使用空気圧より圧力降下量だけ高くする。
- 配管継ぎ手類も空気の流れの抵抗を加味して選定(【表】参照)。
- 配管が長くなり圧力降下が心配されるときは、中間に空気タンクを設けて圧力ロスを回避。
(a)配送管系の管径設計
- 配管末端での圧力降下量を0.5Kg/cm2以下におさえる。
- 配管系で使用予定の空気圧機器の全消費空気量に対して管径を選定。
- 導入圧力は使用予定の空気圧機器の最高使用空気圧より圧力降下量だけ高くする。
- 配管継ぎ手類も空気の流れの抵抗を加味して選定(【表】参照)。
- 配管が長くなり圧力降下が心配されるときは、中間に空気タンクを設けて圧力ロスを回避。
(b)操作管系の管径設計
- 個々の空気圧機器で使用される最大空気量をもとに管径を選定。
(c)操作管(ナイロンチューブ、ウレタンチューブ)とLCA(ローコストオートメーション)の接続時の注意点
- チューブは外面にキズの無いものを使用する。
- 繰り返し使用してキズがついた場合はその部分を切断して使用する。
- チューブは継ぎ手付近で極端に折り曲げないこと。(チューブ径φ6で最小曲げ半径:30mm、φ8で50mm程度)
- クイック継ぎ手のねじ部と結合する場合は、相手機器のめねじ内部に付着したシール剤を掃除して使用する。