Question
穴加工をもっと高速で行いたい
社内で穴加工に費している時間を計算してみると、想像していた以上に長時間におよんでおり、全加工時間の6割を占めることがわかりました。
加工速度向上によって加工の効率化を図ろうと考えていますが、加工条件を上げるにはどのようなことがポイントになるのでしょうか。
Answer
高速穴あけ加工に必要とされる条件
穴加工を高速化するためには、穴間の移動時間(送り速度と俊敏性)が大きなポイントになりますが、工具に関しては、以下の条件を満たすことが大切です。
- 剛性の高い工具材種
工具材種自体に剛性がなければ回転数を上げて加工することができません。超微粒子超硬合金のように剛性が高い材種を選定するのが第一歩です。 - 最適な溝長
ドリルはエンドミル等と比べて芯厚が薄いため、溝長が長くなるほど工具剛性は著しく低下します。高速加工を実施するにあたっては、加工穴の深さに最適な溝長のドリルを選択し、可能な限り剛性を高めることが必要です。最適な溝長のドリルを使用することで、穴加工の大幅な高能率化が可能になります。再研磨部分を長くとることで再研磨回数が増え、長期間ドリルを使用することができるようにはなりますが、加工速度向上による能率は損なわれてしまいます。再研磨部分の設定にあたっては、加工能率を犠牲にすることがないように検討する必要があります。
- 保持精度・保持剛性の高いホルダ
ドリルを精度よく保持し、高回転でもビビらない剛性をもったホルダの使用も重要です。焼ばめホルダが最適です。
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- 一般鋼からステンレス鋼まで高送り、高速切削が可能です。
- ウェーブ切刃の採用により、抜群の切れ味と強度を実現し、切りくず排出も促進させます。
- 円錐形状+R形シンニングを施すことにより、抜群の強度と安定性を保つことで高速切削を実現します。
- 肩部C面処理を施すことでチッピングを防止します。
- 直径プラス公差を採用することで、より穴公差に近い高精度な穴が仕上がり、再研磨後の穴径マイナス値も少なくなります。
加工事例:高速穴あけ加工
高速切削条件下で、一般加工用ドリルと高速・高送り加工用ドリルの穴加工
使用工具:TAC-RESDRA6
材料規格 | S50C |
---|---|
焼入れ | 無 |
穴深さ | 30mm(54D) |
回転数 | 5310mm/min-1 |
---|---|
切削速度 (m/min) |
100m/min |
実送り速度 (mm/min) |
850mm/min |
1回転あたり送り量 (mm/rev) |
0.16mm/rev |
突き出し長 | 48mm |
クーラント | 水溶性切削液 |
ステップ | なし |