空気圧回路と制御技術の基礎について、LCA(ローコストオートメーション)を使用する工場の場面を想定して解説します。
「空気式アクチュエータ用クリーンエアーシステムの解説」でクリーンエアーシステムの全体の解説を行ないました。ここでは、クリーンエアーシステムの先に接続する方向制御弁や、速度制御弁などの制御機器空気圧機器や、空気圧シリンダなどの空気式アクチュエータ(駆動機器)を回路図として著すJIS規格のシンボル記号を解説します。
(1)空気圧基本回路
一般的に使用される空気圧機器のシステム例を【図1】に示します。
「空気式アクチュエータ用クリーンエアーシステムの解説」で紹介したクリーンエアーシステムは、【図1】の調質機器の部分に当たります。その調質機器の上流に空気圧の発生源機器があり、調質機器の下流に制御機器と空気式アクチュエータ(駆動機器)があります。
一般に使用される空気の圧力は7Kgf/cm2(0.7MPa)以下です。油分や水分を除去した圧縮空気を空気タンクに蓄え、更にFRLユニットでクリーンな空気とした後にレギュレータ(圧力調整弁)で減圧してシリンダに供給します。
【図1】の発生源機器と調質機器までのシステムは水道の供給システムに似ています。水道の水圧が空気圧に当たります。水道の蛇口以降、即ち、調質機器以降の空気圧でLCAを駆動させ仕事を行ないます。
(2)空気圧基本回路の記述
【図1】の一般的な空気圧機器の構成図は、JIS規格に定められた記号「JISB0125・油圧および空気圧用図記号」を用いて空気圧回路図(設計図)として表示されます。【図1】に対応する空気圧回路図は【図2】となります。
【図1】と【図2】の比較から、空気圧シンボル記号と空気圧回路の書き方の基本を習得することで、空気圧機器のシステムを解り易く正確に記述することができます。JIS規格などを参考として、空気圧シンボル記号を覚えて下さい。