引き続き、各種の硬さと測定機器の解説を行います。
ブリネル硬さ
- 球形の大きなくぼみで測定するため、材料構造の不均一性があるもの(鍛造品、焼なまし/焼ならし品)などに適す。
- 圧子として直径1、2、2.5、5、10の鋼球、または超硬合金球を用いて、試料面に球分のくぼみを付けたときの試験荷重F(N)と、くぼみの表面積S(mm2)とから算出する硬さ。
- 試験荷重は圧子直径で異なる。
ショア硬さ
- 試験後のくぼみが目立ちにくいので、製品評価に採用される場合がある。
- ハンマを試料に一定の高さ(h0)から落下させたとき、ハンマの跳び上がり高さ(h)に比例する値として表す。
- ハンマは先端半径が約1mmのダイヤモンドで、質量が約36.2g、落下高さが約19mm(D形)と、質量約2.5g、落下高さ約254mmの(C形)がある。
微小硬さ
- 圧子が硬く微小なため、めっき層や塗布膜・表面処理層などの表面硬さや多層膜構造の硬さなどを断面方向から測定したり、結晶それぞれの硬度測定など、ミクロな性質評価に適用されます。
- JISでは、試験荷重が9.807mN以上、9.987N以下でのビッカース硬さとヌープ硬さを規定している。
- ヌープ硬さ(HK)とは、対稜角が172.5°および130°の横断面が菱形のダイヤモンド四角錘圧子を用い、試料面にくぼみをつけるときの試験荷重F(N)と、くぼみの長手方向の対角線長さから求めた投影面積(A mm2)とから次式で求める。
硬さ基準片
- 硬さ基準片は硬さスケールごとに形状、表面や裏面の表面粗さや平行度、表面と裏面の平行度などがそれぞれ規定されている。(JIS B 7730、7735、7736、7731)