(1)焼入れ処理と焼入れ部品形状の影響
焼入れ処理をする部品形状の違いは、冷却速度に差を生じます。そのため、材料の膨張と収縮の現象が形状の位置により違ってきます。このことが残留応力を残すこととなり、その結果として熱処理後に形状変形や割れなどの問題につながってきます。
焼入れ処理では、次のような部品形状の場合に変形や割れ、焼ムラなどの問題が生じる可能性があるため注意が必要です。
- 板厚・肉厚が急変する部品(【図1】参照)
- 角度の急な形状部位(【図1】参照)
- 段差を持つ部品(【図1】参照)
- 止まり穴
代表的な対策は下記です。
- a)形状の変化を小さくする(コーナー部にフィレットを付ける、急変肉厚形状を変えるなど)
- b)二段冷却処理など冷却プロセスを変える
(2)焼入れ欠陥と対策案
代表的な焼入れ欠陥とその対策案を次表にまとめました。
【表1】代表的な焼入れ欠陥と対策案
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