スライドガイドの直線しゅう動精度は、リニアモーションブロック(スライダー)を案内するレールの精度とほぼいえます。しかし、このレール精度は、それを固定する取付面の形状から直接の影響を受けます。したがって、レール精度を忠実に得るためには、取付面の真直度・平行度などを充分な精度にしなければなりません。ここではスライドガイドの2つの取付面(レール取付面、スライダー取付面)の設計を解説します。
(1)2つの取付面の基準面高さとすみ(コーナー部)の形状(【図1】参照)
取付面にレールまたはスライダーを正確にアライメントし固定するために、取付面コーナー部に逃げを持たせるか、レールとスライダーの各C面寸法より小さなコーナー部半径に加工すること(【表1】参照)。
【表1】取付面の肩の高さとすみの半径
(mm)
|
(2)取付面精度
2本のレールを平行に組付ける方法は【図1】の取付面に固定したレールを基準にし、もう1本のレールはスライダーが軽く動く状態で固定するのが一般的です。【図2】は、2本の取付面を持つレール固定板にレールを取付ける構造の場合です。
(1)軸の平行度誤差(【図2】参照)
(mm)
|
(2)軸の基準面誤差(【図3】参照)
(mm)
|
※ | X = X1(レール取付面段差)+ X2(ブロック取付面段差) |
(3)軸の基準面誤差(【図4】参照)
(mm)
|
スライドガイドは、上記のような取付面精度による精度劣化の影響を受けますが、多数の循環ボールによる平均化効果により、実際の精度劣化はその1/2〜1/10程度に低減されます。