- 2種類の駆動源
- モータの種類と特徴
- モータの制御システム
3回連載の、「メカ設計者のためのメカトロニクス講座」では、
いまやメカ設計者にも必須な制御関連の知識を、「検知」、「計測」、そして「動かす」の3つに分類し、一つずつ説明していきます!
今月は、「動かす」についてです。
駆動とは?
機械や装置に動力を与えてその機械(や装置)を動かすことを“駆動”といいます。
言い換えると、機械(装置)を動かす、つまり駆動させるためには動力が必要です。
その動力を生み出すもの(駆動源)にはさまざまなものがありますが、
シリンダ等に使われるエア機器、モータなどは皆様も馴染みが深いのではないでしょうか。
これらは基本的に“動力”というエネルギーを与えることで“動く”という運動を発生させますが、
何らかの装置に組み込む場合は電気的な信号によって制御させる必要があります。
今回は「エア」と「モータ」の2つについて説明します。
2種類の駆動源
1. エア
エアを駆動源とする機器の代表的なものに、シリンダがあります。
シリンダは圧縮空気のエネルギーを直線運動に変換することにより動力を伝達します。
シリンダの駆動源はエアですが、電磁弁を用いて動作を制御しています。
下記の図は、制御システムの接続例です。
<制御システムの接続例>
一般的には、複動型シリンンダを使用することが多く、実際の配管としては、シリンダに対して、IN側とOUT側に配管されます。
この、IN側又はOUT側にエアの流れを切り替える役目が電磁弁になります。
この他にも、例えば、非常時などにエアをシャットし、シリンダをフリーにする様な機能の電磁弁もあります。
2. モータ
モータは電気エネルギーを機械エネルギーに変換して動力を伝達します。
モータを駆動源とする機器は、下記のようなさまざまな場面で活用されています。
<モータの活用場面>
- 1. 多点精密位置決め
- 2. 速度(加減速を含んだ)のコントロール
- 3. 回転
- 4. 搬送
モータには複数の用途があり、種類も多くあります。
次ページでモータの種類や特徴について説明していきます。