部品供給機構の貯蔵・整列・給送・分離の各方式について
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この場合は、貯蔵・整列・給送・分離をそれぞれ必要な機能として機構構想を練らなければなりません。
■a)貯蔵
そろえ積み方式の貯蔵法はマガジンを使用するのが一般的です。部品の特性(形状、重量、品質など)と後工程の整列・分離機構との関係で、マガジン形状は千差万別となります。
LCA(ローコストオートメーション)のためには、この段階での標準化思想の徹底が重要です。
■b)整列
部品の方向姿勢を一定にそろえて組付け前の段取りを行う機能です。
整列装置は振動フィーダ(ハードウェア)と整列させるツーリング技術(ソフトウェア)から成っています。部品の多様化により後者のツーリング技術がノウハウとして非常に重要です。整列のためのツーリング法の例を【図1】に示します。
■c)給送
整列後の部品を挿入位置まで送路を通じて送る機能です。
部品の重力を利用するのが最も安価です。部品移送用の送路をシュートと呼びます。このシュートは、滑りやすく錆びないパイプや角型のガイドレールなどが用いられます。
■d)分離
整列装置から1回の組付け作業に必要な部品数だけ取り出す機能です。
止めはずし式分離方式(【図2】)と切り取り式分離方式(【図3】)が代表的な機構例です。
部品供給のLCAでは、部品の制御のローコスト化のために部品そのものの重量を利用したり、簡易的な姿勢整列にはカムやエアシリンダなどのアクチュエータが多用されます。しかし、微小部品の供給や、高速な供給などを必要とする場合は、それらの部品の整列や給送・分離には、画像処理装置や高精度なハンドリング機構を要するものがあります。対象部品の特性や要求精度に応じてハードウェア、ソフトウェアを選定してください。