部品供給機構の貯蔵・整列・給送・分離の各方式について
部品供給のことを'フィード(feed)'といいますが、この用語の元の意味は'えさを与える'です。即ち、組付けで付加価値を増大させるために部品をフィードすることです。しかし、組付け対象物が高機能で軽薄短小などの傾向にあるため、供給する部品類の取り扱いは高い技能や静電気対策などの各種要素技術を盛り込む必要があります(【表1】参照)。
【表1】供給部品特性と必要となる要素技術の例
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これから、LCA(ローコストオートメーション)の部品供給を実現するための機構例(ハードウェア)と要素技術(ソフトウェア)を解説します。初めにばら積み方式が採用できる部品形態の場合を解説します。
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この場合は、部品を分離させる機構が不要のため、貯蔵と整列の機能を一体装置として設計製作することができます(【図1】参照)。
しかし、この場合でも長時間トラブルなく稼動する信頼性の高い機構設計とするには、対象部品の違いや生産形態の違いに応じて機構部品の仕上げ状態(表面粗さや公差など)や制御法を選ばなければなりません。
例:整列させるときの摩擦抵抗は、部品重量とすべる面の表面粗さで大きく違ってきます。重量が100gの部品と1gの部品では、1gの部品整列の場合、整列させるしゅう動面粗さを細かく仕上げなければ部品はうまく動かなくなり不安定な部品供給となります(【図2】参照)。
したがって、設計段階から構想を良くつめ、複数(3案程度)の機構案による予備実験などを踏まえ最終設計を固める方法が着実な進め方です。