(5)乳化力
界面活性剤溶液は、液状の親油性汚れを、微細で安定な小液滴に乳化分散させます。界面活性剤の分子は、疎水基を油滴中に入れ吸着します。これによって生成する乳化物は、O/W型(水中油滴型)乳化物であります。【図1】(a)に示します。
これに対して、油性液中に水滴が乳化した場合には、W/O型(油中水滴型)乳化物になります。【図1】(b)(c)に示します。一般に、このような乳化物をエマルジョンと呼んでいます。
(6)懸濁力
固体の微粒子も、乳化と同様に、界面活性剤の吸着により水中で分散されます。この場合は、界面活性剤分子は、固体の表面に吸着しているに過ぎないので、乳化の場合に比べて安定性は劣ります。
(7)発泡力
界面活性剤の分子は、いずれもの発泡力をもっています。発生した泡は、その表面に汚れを包み込むようにして吸着するので、洗浄効果があります。
しかし、過度の発泡は、作業の進行上いろいろと問題を生じるので、低発泡性のものを選択したり、シリコン系の消泡剤を用いたりします。
(8)可溶化力
可溶化とは、本来、水に不溶の物質が、水溶液中の界面活性剤のミセル中に吸着または溶解する現象で、可溶化液は透明になります。