超硬ラジアスエンドミル(アルミ)
- Question アルミ合金を切削加工するときのポイントは? [被削材例] A2017、A5052、A6061、A7075 Answer アルミ合金の特性 アルミ合金は一般的に軟質で被削性は良好ですが、材料溶融点が低いうえ延性の大きい性質のため、仕上げ面や工具に溶着しやすく、バリが発生しやすいという欠点があります。 高Siアルミ合金は、含有している結晶シリコンが工具摩耗の進行を促進させる難削材であり、切削時には各種対策が必要になります。
- Question 側面加工を安定して行うために、短い刃長のエンドミルを用いて、Z方向に多段加工を行っているのですが、段のつなぎめにスジが残ってしまいます。加工スジを抑えるにはどうしたらよいのでしょうか? Answer 加工面段差の発生メカニズム 切削面の加工スジは、エンドミルの外周切れ刃端が切削中に食い込むために発生する切削痕です。 切れ刃端部にR形状を設ける事により切れ刃端部の食い込みを防ぐことができます。
- Question ラジアスエンドミルによる倣い加工のメリットは? 三次元形状の倣い加工に、ボールエンドミルではなくラジアスエンドミルを使用するという話を最近よく聞きます。ラジアスエンドミルを使うと具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。 Answer 切削条件の良化 ボールエンドミルの刃径は刃先Rの2倍ですが、ラジアスエンドミルの刃径は刃先Rの寸法に関係なく大きくすることが可能です。刃径が大きいと以下の点で切削条件が良化します。 刃径が大きいと工具剛性が高く、特に小径の場合たおれを小さく抑えることができ、安定した切削が可能です。また、実切削径が大きくなり速い切削速度で加工することが可能なため、加工面精度の向上や工具寿命の向上が見込めます。
- Question エンドミル加工でのアップカットとダウンカットの違いはなんですか? また、どのように使い分けるのですか? Answer アップカットとは エンドミルの回転方向とテーブルの送り方向が、ほぼ相対して切り進む加工方向のことです。 切削量は最小から最大に切り進むので、刃が被削材に喰い込むまで滑る傾向です。 なので、擦り摩耗の進行が早く、加工硬化するステンレス鋼などはより顕著になります。 仕上面は良好で、テーブル送りのバックラッシュは影響しません。