膜厚計(電磁式膜厚計)
塗装、メッキなどの被膜の厚みを測定します。
特長
- 被膜の厚みを測ることができます。
(例)車の場合…素地→鉄
被膜→塗装
で、塗装の厚みを測定します。 - ノギスなどが使用できない所でも計測可能です。
- 測定ポイントの数値がすぐにわかります。
測定物の断面図
原理
電磁誘導式
鉄芯入りコイルの先端に鉄を近づけると、その距離のわずかな変化に対応して、コイルのインダクタンス(電流の変化が誘導起電力となって現われる性質のこと)が変化します。この変化を利用して膜の厚さを測るものです。
渦電流式
高周波電界によって金属表面に誘起される渦電流の大きさと皮膜の厚さとの電気的相関性を利用して、鉄以外の金属素地上の絶縁性皮膜の厚さを測るものです。
測定方法の違い
測定方式 | 素地 | 皮膜 |
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電磁誘導式 | 磁性体(鉄、鋼、フェライト系ステンレスなど) | 非磁性被膜(塗膜、メッキ(ニッケルを除く)、樹脂ライニングなど) |
過電流式 | 非磁性金属(アルミ、銅、オーステナイト系ステンレスなど) | 絶縁性被膜(塗膜、樹脂膜、アルマイトなど) |
デュアルタイプ | 磁性体(鉄、鋼など)非磁性金属(アルミ、銅、ステンレスなど) | 非磁性被膜 絶縁性被膜 |
適応用途一覧
鉄素地上※に処理された塗装、ライニングなどの絶縁性被膜および非磁性金属被膜の厚さを非破壊測定します。
※鉄、鋼およびフェライト系ステンレスを含みます。
・塗装:機器、自動車、船舶、橋梁、鉄鋼構造物など
・ライニング(腐食を防ぐ膜張り):樹脂、タールエポキシ、ゴム、ホーロー、アスファルトなど
・メッキ:亜鉛、銅、クローム、スズなど(ニッケルを除くメッキ)
・メタリコン、パーカライジング、酸化膜、溶射膜など
・鉄板を基板として金属箔、樹脂フィルム、レジスト膜などの厚さの測定
ここポイント! |
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・素地金属(鉄または非鉄)を確認してください。 ・測定する用途(被膜、メッキ、ライニング、フィルムなど)を確認してください。 ・測定範囲(厚み)(mm)を確認してください。 |
ピンホール探知器
絶縁物のピンホール(貫通孔)の検査を行う機器です。
特長
- プローブをかざすだけで、被膜を傷めることなくピンホール検査ができるので作業効率がよくなります。
用途
・化学プラントの機械装置、タンク、パイプ、バルブなど耐薬品性を要求されるライニング※膜に。
・上下水道・ガス・電力などの地中埋設管の塗覆層に。
・公害機器装置など特殊な汚染ガス、汚染液に対する耐食性塗装ライニングに。
・各種汚染因子にさらされやすい建造物、構築物、機械装置に対する防錆・防食塗装、ライニングに。
・船舶・船用機器、海岸・海中設備機器の防食塗装、ライニングに。
・精密機器、電気機器などの重要部分品の防食塗装、ライニングに。
・ホーローバス、樹脂コーティングバス、温泉地の設備、機器の防食塗装ライニングに。
・塗りかえ費用のかさむ長大物の塗装、ライニングに。
※ライニング…腐食、摩耗などを防ぐために用途に適した材料を張り付けること。裏張りともいいます。
種類
①高周波式
②直流式
③パルス式(静電気蓄電しません)
④コンクリート専用
⑤湿式(被膜を水で濡らして測定します)
豆知識 ピンホール検査とは |
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絶縁性被膜にごく小さな穴(ピンホール)が開いていると電気を通してしまうので、穴が開いていないかどうか検査することです。 |
ここポイント! |
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・検査物の厚みを確認してください。 (1mm以上または1mm以下) ・電極ブラシ形状を確認してください。 (平型または丸形) ・使用環境によって小型または標準型かを確認してください。 ・検査物の材質・形状を確認してください。 ・前提として、下地に鉄(金属物)が必要なので注意してください。 |
ココミテvol.2より参考