絶縁抵抗計
電気設備機器の絶縁状態をチェックし、機器の安全管理に使用します。
電気設備機器は、事故防止上、定期的な絶縁抵抗測定が必要です。十分な絶縁抵抗値がないと漏電を起こしますので大変危険です。回路の対地間や線間の絶縁が保たれているかどうかを25V~1000Vの直流電圧で測定します。
特長
- 電気設備機器の使用電圧(電源電圧)に対応し絶縁抵抗計の測定レンジ(測定電圧)を選べます。
- 単レンジ式(測定電圧の切り替えなし)もあります。
ロータリースイッチによる測定電圧の切り替え
抵抗測定の種類
・一般の抵抗測定
アナログテスタ
デジタルハイテスタ
・高抵抗測定
絶縁抵抗計(メガー)
(高い印加電圧にて微小電流を計測して求めます)
・低抵抗測定
低抵抗計(ミリオームハイテスタ)
絶縁抵抗計の主な使用例
JJIS C 1302 規格表より転載
定格測定電圧(V) | 一般電気機器での用途 | 電気設備・電路での用途 |
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安全電圧での絶縁測定 | 電話回線電路の絶縁測定 | |
25V |
電話回線用機器及び防爆 機器の絶縁測定 |
|
100V 125V |
制御機器の絶縁測定 | 100V未満の低圧配電配線及び機器などの維持・管理のための絶縁測定 |
250V | 低圧配電線路・機器の絶 縁測定 | 200V以下の低圧電路及び機器などの 維持管理のための絶縁測定 |
500V | 新設の配電線電路の絶縁 測定600V未満の回路、 機器の絶縁測定(一般) | 600V未満の低圧配電線及び機器などの 維持管理のための絶縁測定100V・ 200V・400V配電路の竣工時の絶縁測定 |
1000V | 600Vを越える回路・機器・ 設備の絶縁測定(一般) | 常時使用電圧の高い高電圧設備(例えば、 高圧ケーブル、高電圧機器、高電圧を使用 する通信機器、電路など)の絶縁測定 |
ここポイント! |
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・設備機器(計測する対象)の電源電圧(V)を確認してください。 ・計測する機器に使用される電圧に近い絶縁抵抗計を選んでください。 測定能力を超えた使用は大変危険です。 ・測定電圧は単レンジ式と多レンジ式があります ※レンジ…計測範囲 |
接地抵抗計(アーステスタ)
漏電の危険を予防するために地面に埋設した電極(接地棒・アース)と大地間の抵抗の測定をします。
特長
- 電気事業法に定められている接地抵抗値の測定ができます。
3電極法と2電極法のちがい
接地抵抗とは金属で作られた接地電極と大地の土壌との電気的接続により生じる電気抵抗を指し、電気設備を設置するときの安全基準として各種法規や規準に明記されています。
3電極法
接地抵抗を測定する場合は3電極法で行います。3電極法は地中に補助接地棒を被測定接地体より5~10m離して打ち込んで測定します。
2電極法
屋内など補助接地棒を打ち込めないときに簡易測定として、補助接地棒のいらない2電極法で測定します。
補助電極として既設の低接地抵抗体を利用します。
豆知識 接地工事の種類について |
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・接地抵抗値は電気事業法に定められている接地工事の種類によって取り決められています。各々の接地工事の種類ごとに接地抵抗値が決定されています。 ・A種(第1種) 10Ω以下 ・B種(第2種) 計算値 ・D種(第3種) 100Ω以下 ・C種(特別第3種) 10Ω以下 |
【注意事項】
活線(通電した電線)での測定は感電の危険があります。
危険ですので使用しないでください。
ここポイント! |
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・接地棒、測定リードのオプション品を確認してください。 ・高精度の3電極法ならびに簡易測定の2電極法があるので用途別に選んでください。 ・計測範囲を確認してください。 長い測定リードがからまず収納できます。 |
アースフック
開路した高圧電路の誤通電などによる感電を防止します。
アースフック(狭所型)
特長
- 接地物につなげて電気を逃します。
業界基準(規格)
- 労働安全衛生規則
第三百三十九条に記載されています。
ここポイント! |
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・適用電圧(kV)を確認してください。 ・頭部金物の形状を確認または指定してください。 ・接地線のサイズ・長さを確認または指定してください。 ・接地金物の形状を確認または指定してください。 |
検電器
電気回路が停電しているかどうかを判別するための器具です。
通電していると光ったり音が鳴ったりします。
特長
- 検電器には低圧用、高圧用、特別高圧用などの使用電圧や、対象用途によって種々のものがあります。
検電器の当て方
検電器の握り部をしっかりと持ち、対象検電部に当てます。被覆電線の上から検電するときは、図のように検知部を十分に電線上に当てないと、心線と検知金具との間の静電容量が変わり、動作感度が鈍くなり反応しない可能性があります。
豆知識 検電器の正しい使い方 |
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検電器は作業者の生命を守る大切なものですから、保管や取り扱いは丁寧に行い、使用前には点検を確実に行ってください。テストボタンを押すと音と光は出ますが、検電器が正常に動作しているのかの確認ができているわけではありません。作業前にチェッカーを使用して、必ず動作確認をしてください。 |
【注意事項】
・検電前に開閉器の状況、表示灯、回路図などによって電路の状態をよく確認してください。検電中は検電器の握り部分以外は危険ですので触れないようにしてください。
・高圧を検電する際、高圧部から60cm以内に手が近づく場合、絶縁ゴム手袋を着用してください。長さ25cm程度の検電器使用時も必ず絶縁ゴム手袋を着用してください。
・検電器は心臓から遠い方の右手で持ってください。
・高圧活線接近警報器は検電器としての使用はできません。
高圧活線接近警報器
高圧活線作業者の誤認錯覚による感電災害防止に。
特長
- 高圧充電部への接近をブザー音で警報します。
- 電気関係作業に最適です。
ここポイント! |
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・AC(交流)またはDC(直流)を確認してください。 ・使用する電圧範囲(kV)を確認してください。 ・低圧用、高圧用がありますので、適した電圧の検電器を使用するようにしてください。 |
ココミテvol.2より参考