ストリッパガイドポストがプレートを貫通することによって、プレートはお互いの関係が拘束され、関係が維持されるようになります。維持された関係は、金型が仕事をしている状態でも変化せずに状態を保つことが好まれます。そのためには、プレートとガイドポストの関係に注意しなければなりません。その寸法関係を示したものが【図1】です。
(a)はつば止め式、(b)はねじ式のポストですが、共に同じです。ポストとプレートの関係は、ポスト径(D)に対してプレート厚さ(T1、T2)は最小値で同じ(D=T)、通常はポスト径よりプレートを厚くします。厚さの最大はポスト径の3倍程度ですが、通常はここまで厚くすることはありません。3倍という数字は、穴を経済的に精度よく仕上げることのできる目安です。穴径と深さの関係はガイドポストだけの問題ではなく、ノックピン(ダウエルピン)等の穴についても同じです。精度を必要とする深い穴は加工が難しくなり、よいことはありません。精度的にもあまり意味がありません。
プレートからポストの先端をどの程度長く出すかが、もう一つの問題です。通常はダイプレートの穴にポストが入り、上型と下型の関係を作ります。このときに、ポストがどの程度深く入っていれば精度維持が可能かといった内容です。ポストがかじりやすいからとの理由でかなり短くしている金型を見受けられますが、せっかくのインナーガイドの機能を台なしにしている使い方といえます。プレートからでている長さはできるだけ長い方がよく、径の1.5〜2倍程度が目安です。ストローク長さが短いプレス機械の場合には、プレス機械の上死点でも、インナーガイドがダイプレートから抜けない長さとすることもよいことです。長くすることは偏心荷重に強くするねらいがあります。上記の内容はポストの数が4本を想定していますが、6本、8本と増やしますと効果はさらに高まります。