ストロークエンドブロックは【図1】(a)(b)に示すような形で使用します。(a)の形の使い方が多いと思います。
ストロークエンドブロックは、金型の下死点を決めるための部品ですが、一度決めてしまえばそれでよいと言うものではありません。金型によっては、再研磨をすることでダイハイトが変化する構造のものもあります。このような金型では、その都度調整が必要になります。
ストロークエンドブロックは単発型に使われることは少なく、順送金型等に使用されることが多いと思います。その設置位置は、ダイプレート等の金型を構成するプレートの外側のダイセット部分に置くことが多いです。段取り後の調整中に、うっかり手を挟む危険があります。その配慮をしたものが、【図1】(b)の形です。(a)の形での使用ではこの点に注意が必要です。
ストロークエンドブロックの使い方としては、以下の2つの使い方があげられます。
■1. 段取りする時の下死点を決める目的の使い方
スライド調節でストロークエンドブロックが軽く当たるように調節して、下死点を決める使い方です。
■2. プレス加工しているときの、下死点のバラツキを押さえる目的での使い方
スライド調節で下死点を決めた後も、常にストロークエンドブロックをぶつけ、動的精度を安定させる目的の使い方です。当て方が弱いとプレス機械にダメージを与えます。
ストロークエンドブロックは、単体の形(【図1】に示す形)とキャップ付きのものがあります。キャップ付きの使い方として、1.の目的での使用では【図2】(a)(b)に示すような使い方があります。
段取りが完了すれば、ストロークエンドブロックの役割は終わりますから、その部分で手を挟んだりしないように、キャップを外してすきまを作り安全を確保するような使い方です。
【図2】の(c)(d)の使い方は、保管時には上型と下型の間にすきまを作るためにキャップを使用し、金型を使用している時にはストロークエンドブロックを当て下死点を安定させる使い方です。
【図3】はストロークエンドブロックの位置です。
(a)に示すような2本の使い方は、下死点を決めるだけの使い方に向いています。下死点を安定させる目的での使い方では、(b)に示すような4本の使い方がよいです。
複数のストロークエンドブロックを使うときには、できれば同時研削で高さを揃えるようにするとよいです。