ダイセットは【図1】に示すように、上型と下型の関係を正しく保つために使用します。
ダイセットはパンチホルダ、ダイホルダ及びガイドポスト、ガイドブシュから構成されたユニット部品です。
上型をパンチ、下型をダイとしてとらえパンチ−ダイの関係を考えると、パンチ−ダイの関係をダウエルピン(ノックピン)が中継してダイセットのガイドに渡し、パンチ−ダイの関係を保つようにしています(【図1】参照)。
ダイセットの形は【図2】に示すような4形式があります。
C形(センターポスト)は、金型の荷重中心が中央にあるような金型で、前後に作業できるようなときに適したタイプです。単発加工のブランク抜きや、穴抜き及び曲げなどによく使われています。
B形(バックポスト)は、左右と前が解放されているので、単発作業では使いやすい構造のダイセットです。また、ロボット加工でフィードバーやアーム等の通過のじゃまにならないので、このような用途の金型にはよく使われています。欠点は重い部分を片側のみで支える構造のため、前が下がる傾向にあり、精度的には問題があります。
D形(ダイアゴナルポスト)は、比較的小さい順送金型などの自動化型に使われることが多い構造です。
F形(フォアポスト)は、四隅にガイドが配置されるため、金型の精度維持に最も信頼性があります。反面、ポストが邪魔になりますから、単発作業用の金型では作業性が悪くなります。したがって、順送金型には適したタイプと言えます。
ガイドの形式は、【図3】に示すものが主流です。
小形ダイセットではプレーンガイドまたはボールガイドが使われますが、大形ダイセットでは動作に要する力との関係で、ボールガイドが使われることが多いです。弱い力で滑らかに動かしたい、という希望からそのような傾向があるように思います。
精度面から見ると、プレーンガイドが優れています。ボールガイドは側圧に弱いです。滑らかに動き、さらに剛性も欲しいとの要望から、最近ではローラー形式のガイドも出てきています。