プラスチック歯車は、回転軸の伝達や制御に用いられる精密機構部品です。歯車の性能が悪いと回転が滑らかにならなかったり、騒音が発生したり、振動が起きたりします。
プラスチック成形品ですので、当然収縮や変形が生じる可能性がありますが、様々な不具合要因を最小化するために、金型の構造も設計時点で検討をする必要があります。
以下に、設計上のポイントを紹介します。
ポイント1:キャビティ−コアの位置決め
キャビティ−コアの位置決めは、それぞれを円筒形のテーパー印籠合わせとし、キャビティ−コアの中心どうしをできるだけ正確に合致させるようにします。
ポイント2:ゲート位置
ゲートは、ピンポイントゲートとし、センターに近い場所に配置するように留意します。
ポイント3:ゲート本数
3本、5本、7本など奇数の配置をすることで同軸度を向上させるように工夫します。
ポイント4:突き出し方法
エジェクタピンで突き出す場合には均等に、突き出しができるようなピッチにエジェクタピンを配置する必要があります。
また、軸受け部はエジェクタスリーブを採用することが推奨されます。
ポイント5:抜き勾配
歯の部分には抜き勾配は付与できないので、その他の部分には離型抵抗が少なくなるように、抜き勾配を十分に確保するようにします。
ポイント6:エアベント
樹脂の最終充填部を確認して、エアベントを適切に設定するようにします。
ポイント7:取り個数
1個取り、2個取り、4個取りぐらいが一般的で、それ以上の多数個取りは、精度のばらつきが大きくなりますので、成形品の仕様が許容しない限り適切ではないと考えられます。