スライドコア用のセンターレールは、比較的幅の広いスライドコアの往復運動の精密位置決めに用いられる部品です。
スライドコアは、射出成形時に金型が開閉する度に、往復運動をして、成形品のアンダーカット部分の金型からの取り出しを可能とする金型部品ですが、往復運動を繰り返しているうちに焼き付きや「かじり」が発生して、金型が動かなくなってしまったり、金型が破損してしまう事故が起きることもあります。
このような事故が発生する原因としては、以下の理由が考えられます。
- スライドコアが往復運動する際に、ガイドレールとの左右のクリアランスが微妙に差があるがために、往復時に斜めになりながら移動し、スライドコアの側面の一部が強くガイドレールに接触してしまい、発熱してかじりが発生してしまうケース。
- 成形時に発生するガスややに成分が、金型温度が下がった際に凝集してこびりつき、スライドコアの作動が悪くなってしまうケース。
- スライドコアが金型温度の上昇によって熱膨張し、ガイドレールとのクリアランスが微妙に狂いが生じ、作動が悪くなってしまうケース。
スライドコアの往復運動を正確に行わせるためには、センターレールをスライドコアの下側に設けると、作動が悪くなる危険性を低減させることがでさます。
センターレールには、無給油タイプもあり、さらに円滑なガイドができるように工夫されています。
センターレールを上手くつかいこなすこつとしては、センターレールの取付け溝の精密工作がポイントです。