スプルーに対してキャビティの配置が左右不均等な場合(【図1】の例)、キャビティの形状によっては、溶融樹脂の充填の際にキャビティブロックとコアブロックの相対位置が位置ずれを起こし、成形品の寸法が変化したり、バリが発生することがあります。
このような不具合の発生を防止するためには、【図2】に示すように、キャビティ彫り込みとは反対方向にテーパーブロックセットを配置することにより位置ずれを防ぐことが可能です。
1個取り金型や試作金型などでは、【図1】に示すような事例に遭遇することがあります。その際には、成形品の形状を作ることのみに集中せず、少し離れた観点から金型構造全体を眺めてみて、今回ご紹介したヒントを思い出してみてください。
「局部のみに目を奪われず、常に全体を見渡すゆとりが、バランスの取れた設計を実現します。」