前回解説した金型部品の熱膨張について、ケーススタディを行ってみましょう。
問題
20℃の機械加工室において製作されたコアピンの全長が30.52mmであった。このコアピンを150℃に昇温させた場合、熱膨張によりどのぐらい伸びるか?
ただし、コアピンの材質は、SCM440系プリハードン鋼とする。
解答例
金属の熱膨張に関する計算式は、下記の通りです。
この式に数値を当てはめてみましょう。
λ:熱膨張によるコアピンの伸び(mm)
α:金属の線膨張係数(mm/mm)
SCM440系プリハードン鋼の場合
α=11.5×10-6 mm/mm
ℓ0:コアピン初期長さ(mm)
ℓ0=30.52mm
t:初期温度(℃)
t=20℃
t0:加熱後の温度(℃)
t0=150℃
したがって、λ=11.5×10-6 ×30.52×(150-20)=0.0456(mm)となります。