前回までは、「底面が分割されている長方形キャビティ」の側壁厚さの強度計算について説明をしてきましたが、今回からは異なる構造のキャビティについての強度計算を説明します。
今回取り上げる例題は、「底面が一体構造の長方形キャビティ」についての側壁厚さの計算例です。
例題のキャビティ形状を【図1】に示します。
【図1】における側壁の厚さhは、下式で求めることができます。
h:キャビティ側壁の厚さ(mm)
c:l/a比により定まる係数(mm/mm)
p:キャビティ内圧力(kgf/cm2)
a:キャビティ内圧力p受厚部の側壁の高さ(mm)
E:縦弾性係数(ヤング率)(kgf/cm2)
σmax:許容最大たわみ(mm)
l:キャビティ内側の長さ
ここで、cについては、l/aの比をあらかじめ計算し【表1】から選定します。
- (例)
- l=50mm、a=25mmの場合、
l/a=50/25=2です。
従って、【表1】よりc=0.111となります。
l/a | c |
1.0 | 0.044 |
1.1 | 0.053 |
1.2 | 0.062 |
1.3 | 0.070 |
1.4 | 0.078 |
1.5 | 0.084 |
1.6 | 0.090 |
1.7 | 0.096 |
1.8 | 0.102 |
1.9 | 0.106 |
2.0 | 0.111 |
3.0 | 0.134 |
4.0 | 0.140 |
5.0 | 0.142 |