プラスチック射出成形金型の取数の意志決定は、成形品の製造コストや金型投資コストを左右する大変重要な判断です。
一般に、取数が多くなれば成形加工コストは低減します。一方、取数が増大しますと金型の設計製作の難易度が上がります。金型の設計製作の難易度とは略以下の項目のことです。
- (1)
- キャビティの充填バランス
- (2)
- 成形品の寸法ばらつき
- (3)
- 成形品の外観ばらつき
- (4)
- 成形品の重量ばらつき
- (5)
- 金型の熱膨張による寸法変動
- (6)
- 金型の温度分布不均一
- (7)
- 金型の自己重量によるたわみ、変形
- (8)
- 計量の増大による成形材料の不均一
したがって、金型の取数は、成形加工コストと金型設計製作技術難易度の双方を天秤にかけて、最適な値を決定しなければなりません。
取数の判断アルゴリズムは、以下の要素を総合的に検討します。
月間生産数量
年間生産数量
金型納期
射出成形機仕様(タイバー間隔、型厚)
取り出し装置仕様
金型標準化仕様
金型構造
金型初期投資コスト
金型メンテナンスコスト
成形加工による収益性