今回は、プラスチック射出成形金型設計におけるチェックリスト、ホットランナー編です。
射出成形金型のキャビティ内に溶融した樹脂を充填するためには、射出成形機の射出ノズルから樹脂を導入させなければなりません。そのためにランナーがある訳ですが、ランナーをカートリッジヒーター等で常時加温しておくことで、スクラップが全く発生させないで射出成形加工ができる、ホットランナー構造が実用化されています。
以下にホットランナーに関する設計チェック項目を挙げてみます。
(1) | 使用する樹脂の成形温度は確認したか? |
(2) | ホットランナーの保温温度は何度か? |
(3) | マニホールドの保温温度は何度か? |
(4) | ホットランナーのヒーター容量は? |
(5) | マニホールドのヒーター容量は? |
(6) | ホットランナーの加温方式は適切か? |
(7) | ホットランナーの温度制御方式は適切か? |
(8) | ホットランナー先端部の焼け防止対策は講じたか? |
(9) | ホットランナー周囲の冷却構造は設定されているか? |
(10) | 型板への断熱構造は適切か? |
(11) | バルブゲートの場合、駆動力は十分か? |
(12) | バルブゲートの場合、バルブピンの直径は細すぎないか? |
(13) | 多点ゲートの場合、ランナー配置は適切か? |
(14) | 色替え時の不具合対策を講じているか? |
(15) | マニホールド内に滞留部が生じていないか? |
(16) | 射出成形機の電気系統との信号接続方法は確認されているか? |
(17) | ホットランナーへの電源供給コンセント配置は確認したか? |
(18) | バルブゲートの場合、空圧、油圧系統の流体供給方法は適切か? |
(19) | バルブゲートの場合、エアーの乾燥能力は十分か? |
(20) | 金型のメンテナンスがしやすい構造になっているか? |
(21) | 予備のヒーター等の部品は手配されているか? |
(22) | ホットランナーメーカーの緊急連絡先は明確になっているか? |
(23) | ホットランナーユニットの組み込み方法は正確に理解されているか? |
(24) | 接続電線、空圧配管、油圧配管等のケーブル類の取り扱いは可能か? |