プラスチック射出成形金型の設計は、たくさんの部品が組み合わされた金型を設計することから、様々な観点から設計内容を審査する必要があります。2または3つ以上の部品どうしの組み合わせ−はめあい関係、熱膨張による環境変化時の状態、重力による部品の位置変動、大変高い充填圧力による部品の弾性変形、樹脂から発生するガス成分による影響、熱交換効率の検討、組立性−分解性の工夫、製作工数の低減、寿命の適正化など切り口が多様であり、それぞれの観点からは設計内容が相反する場合もあります。
設計された技術思想は、図面に具現化されていますが、これらを漏れなくきちんとチェックすることは、ベテラン設計者であっても多くの神経を使います。そこで、金型設計図面をチェックするための着眼点を挙げてみることにします。
今回は、成形機に関する事項について検討をします。
- (1)
- 使用する成形機は確定しているか。
- (2)
- プラテンの仕様を確認したか。
- (3)
- タイバー間隔はいくらか。金型がぶつからないか。
- (4)
- デイライトはいくらか。金型が開ききった時に支障がないか。
- (5)
- 最小型厚寸法はいくらか。クリアーしているか。
- (6)
- 最大型厚寸法はいくらか。クリアーしているか。
- (7)
- 突き出しストロークはいくらか。成形品を突き出せるか。
- (8)
- ノズル先端SRはいくらか。スプルーブシュのノズルタッチ部と寸法が合っているか。
- (9)
- ノズル先端径はいくらか。スプルーブシュの入り口寸法とマッチングしているか。
- (10)
- 型締め力はいくらか。十分に打てる能力か。
- (11)
- 射出容量はいくらか。成形加工できる重量を満たしているか。
- (12)
- 可塑化能力はいくらか。
- (13)
- ロケートリング直径はいくらか。
- (14)
- 成形機の安全扉と金型の冷却水循環ホース、電源コード類がぶつからないか。
- (15)
- フックボルトの位置は、成形機へ金型を取り付ける際に支障にならないか。
- (16)
- 金型を取り付ける方法は何か。
- (17)
- 成形機と接続するものがあるか。あるとすれば接続方法は確認済みか。
- 冷却水ジョイント
- 冷却油ジョイント
- 加圧蒸気ジョイント
- 圧縮空気ジョイント
- AC100V電源
- AC200V電源
- センサー類