オイラーの式を使って、エジェクタピンの座屈に関する強度計算の演習を行ってみましょう。
問題
【図】に示すストレートエジェクタピンの座屈強度について検討してください。
ただし、エジェクタピンの材質はSKH51とし、硬度は58〜60HRCとします。
解答例
図より、
エジェクタピンの直径 | φd | = | φ2(mm) | |
全長 | l | = | 100(mm) |
|
skh51の縦弾性係数 | e | = | 21000(kgf/mm2) | |
端末条件による定数 | n | = | 4 | |
断面二次半径 | k | = | d/4 | |
= | 2/4 | |||
= | 0.5(mm) |
したがって、座屈荷重Pは、オイラーの式より、
P | =nπ2AE(K/L)2 | |
=4×π2 ×(π×2 2 /4)×21000×(0.5/100)2 | ||
=65(kgf) |
一方、エジェクタピンに作用する圧縮荷重P1は、
P1 | =p×A | |
=p×(π×d2/4) | ||
=4×(π×22/4) | ||
=12.6(kgf) |
結論としては、安全率S | = | P/P1 |
= | 65/12.6 | |
= | 5.2 |
∴ 経験より、安全率が5.2であれば十分に座屈に耐えられると判断されます。