フールプルーフ(fool proof)とは、直訳すれば、多少言葉は上品でありませんが、「ばか防止」といったニュアンスとなります。
具体的には、人間がうっかりミスやポカミスによって誤って組み立てたり、分解したりしないような機構や形状のことを指します。
金型の事例説明しますと、極めて類似している2本のコアピンAとBがあったとします。メインコアに組み込む位置は、決まった位置です。
仮に、金型を分解してメンテナンスした場合、組み込み位置をA、B逆に組んでしまうおそれが潜在的に存在します。どんなにベテランの方でも、うっかりミスや勘違いは完全に排除することはできません。
そこで、コアピンのツバ部を異なる形状にカットしておいて、メインコアの組み込み穴もその形状に加工をしておけば、誰が組み込んでもコアピンA、Bは正規の位置にしか組み込めませんから、絶対に組み間違いはあり得ません。
このような工夫を「フールプルーフ」と言います。
誤って組み込むおそれのある部品や組み込み順番がある場合など、作業者がうっかりして間違った組み込みをしないように、フールプルーフ設計を心がける必要があります。
大型サイズの金型や輸出用金型では、組み込み間違いをすると、その作業やりなおしには多大の時間を要します。また、誤って組み込んで型締めしてしまったことにより、金型を破損してしまったら大変な損害を被ることにもなるでしょう。
フールプルーフが必要かどうかを判断するのは、金型設計者ですから、単純なコストダウンの配慮のみならず、フールプルーフについてもレビューをできるようにトレーニングすることが大切です。