ピンポイントゲート先端形状のデザインについて解説します。
ピンポイントゲート構造を採用するときに、金型設計をなさる方が最も苦心されることの1つに、ゲート先端部のデザインがあります。
ゲートの先端形状は、キャビティ内部に溶融樹脂を注入する際の流入状態を左右します。また、樹脂の充填された後の保圧のかかり具合や、ガラス繊維入り樹脂の場合には、繊維の配向状況なども左右します。
さらに、ゲートが成形品から切断される際のゲートの切れ残り状況も左右します。
基本的なゲートの先端形状のパターンを【図】に示します。
一般的なゲート形状としては、DまたはEのパターンが適当です。このような形状ですとランナーの離型も心配なく、またゲートの切断残りも小さく抑えられます。
ただし、ゲート先端部の機械加工は放電加工により、精密加工する方法が推奨されます。
Aのパターンは、複数のゲートを狭い部分に配置しなければならない場合に有効です。
Fのパターンは、コアピンなどの他の部品とランナーが干渉してしまう場合などに採用される特殊なパターンです。
Bのパターンは、ランナーの離型がうまく行かず、金型の中にランナーが残ってしまう可能性が高くなります。
Cのパターンは、ゲートの残りが成形品に残ってしまう可能性が高くなります。
ゲートデザインは、成形品の品質を大きく左右しますので、ある深みを持ったこだわりが求められます。