プラスチック射出成形金型のキャビティには、毎ショット高温の溶融樹脂が流入してきます。そして、その流入温度は、樹脂の種類によって適切な温度範囲が決まっています。
キャビティの全体の温度は、これらの温度範囲となるように冷却水やスチーム、カートリッジヒータ等で適切に保温されなけらばなりません。
ところが、コアピンやスプルーブッシュなどの一部分では樹脂から伝わってきた熱が徐々に累積していって、放熱だけでは冷められない状態に陥ってしまうことがあります。
そのような加熱状態になってしまうと、
- (1)
- ばりが発生する。
- (2)
- 寸法が変わる。
- (3)
- 表面光沢が変わる。
- (4)
- ガラス繊維の浮き方が変わる。
などの不具合が知らず知らずのうちにだんだん発生してくる危険があります。
そこで、このような熱が蓄積する場所には局所的にスポット冷却を施して、加熱をさせないように工夫することがクレバーな対処法になります。
「金型冷却用エアージェットクーラAJCMV, AJCMH」は、このような用途に対応させるために開発された商品です。
冷風を局部へ簡便に供給できるしくみです。作動には電気は必要ありません、単純に工場で使用されている圧縮空気を接続するだけで、最大温度差-(マイナス)55℃の極冷風を発生させることができます。
水冷循環させることができない狭い部分や水漏れが心配な箇所をスポット冷却させるためには最適な商品です。既にご購入されたお客様からは大好評を得ています。
例えば、細いコアピンの中に穴を開けて極冷風を送り込んだり、貫通風例穴を設けてさらに冷却効果を上げるなど、使い方のノウハウも見出されています。
冷風の温度は調整ねじで調整することができますので、希望される温度にチューニングができます。
冷風発生の原理は、物理学の圧縮流体の渦動理論によるものです。
周辺の接続部品継ぎ手、低温用チューブも準備されていますので適宜組み合わせて御使用ができるように準備されています。