超精密金型を設計し、金型を立ち上げねばならない場合、キャビティ・コアの設計や機械加工には、細心の注意を払わねばなりません。
しかし、うっかりしてしまうのが、エジェクタピンの取り付け孔の加工精度と、エジェクタピン自身の寸法精度です。
エジェクタピンは、成形品の一部を押すために、キャビティ空間に接する位置に配置されますから、エジェクタピンとコアの取付孔のクリアランス部分には、樹脂が入り込む可能性があります。
精密成形品の場合、このクリアランスをミクロンレベルで管理しないと、成形品の品質維持が困難になる場合が増えてきています。
ご紹介するのが「超精級ストレートエジェクタピン」です。
このピンは、ピン直径精度が、+0/−0.002mmとなっています。
材質はSKH51製で、58〜60HRCの硬さがあります。
ストレートピンと段付きピンがあります。
直径は、最小径がストレートタイプでφ0.3mm、最大径がφ5mmとなっています。それぞれ全長寸法が範囲がありますので、詳しくはカタログを参照してみてください。
また、精度維持のために、ピン根元部の焼きなまし処理はあえて行っていません。したがいまして、このピンを上手にお使い頂くためには、エジェクタガイドシステムの採用や潤滑剤の工夫などを行うことが推奨されます。
このピンの使用用途としては下記にような金型が想定されます。
- 光学部品用金型(マイクロレンズ、導光板など)
- 電子部品(コネクタ、スイッチなど)
- 精密機械部品(ギヤ、軸受けなど)
- 医療用具(注射器外筒、輸液部品など)
- 食品容器(カップ、コンテナ、容器蓋など)