ガラス繊維入りのエンジニアリングプラスチックを使用するピンポイントゲート構造射出成形金型では、ピンポイントゲート部が摩耗によってゲート穴が変形したり、拡大したりする不具合が量産成形時にしばしば発生します。
ゲート穴が摩耗してしまいますと、以下のような不都合が生じるおそれがあります。
1. | 成形条件が変化することにより、ばりや離型不良が発生しやすくなる。 | |
2. | 多数個取り金型の場合、キャビティ間の品質がばらついてしまう。 | |
3. | ゲート部の切れ残りが発生したり、切断跡が大きくなってしまう。 |
このような不具合の発生確率を低減するためには、ゲートブッシュの耐摩耗性を向上することが有効です。
ミスミでは、このようなニーズに鑑み、超硬合金製ゲートブッシュを商品化しております。 材質は、超硬合金V40を使用しており、ロックウエル硬さは、87〜88HRA(ビッカース硬さ960HV相当)と極めて硬く、耐摩耗性に優れています。
PBTやPPSなどのガラス繊維入りやPC、アクリルなどの硬い樹脂用の金型に適しています。価格は、一般のゲートブッシュよりも高めになっておりますので、金型の寿命やメンテナンスを考慮されて合理的な選択をして頂くことをお勧め致します。