ラップ仕上げ加工は、シャフトとガイド穴の精密勘合の場合の仕上げ加工や機械加工、または放電加工で仕上げられた表面の加工ダメージ層(加工変質層)を除去して、精密な鏡面に仕上げる場合などに手仕上げ方法で利用されます。以下では、ラップ仕上げ加工のメカニズムと、ラップ作業のポイントについて解説してゆきます。
(1)ラップ仕上げ加工のメカニズム
・ | ラップ仕上げ加工は、ラップされるワークとラップ工具の間にラップ剤を介入させ、ラップ工具で圧力を加えながら、ラップ剤中の硬度の高い固形物(砥粒)を動かしながら、ワーク表面をわずかに削り取る仕上げ加工法です。 | |
・ | ラップ仕上げ加工に用いられるラップ剤、ラップ工具と加工対象のワークの間には、硬度の点で次の条件で選定する必要があります。 |
(2)ラップ剤
・ | ラップ剤は上記(1)のラップ剤と、ワークの硬さの関係を満たすラップ剤の種類と、仕上げ面精度(粗さ)に応じた粒度を選定します。 | ||||||||||||||||||||||
・ | 事例として【表1】を参照ください。 【表1】ワーク材に対するラップ剤とラップ工具の選定基準例
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(3)ラップ工具
・ | ラップ工具も項目-(1)の関係を満たす材料を選定します。表1参照 | |
・ | ラップ工具はその形状も重要で、仕上げ形状の精度や作業のし易さなどから、四角形、三角形、先端R形、丸形などを使い分けます。 |