物体に2つ以上の力が働いていても運動しない状態にある場合、これらの力はつりあいの状態にあるといいます。
1点に働く力のつりあい
・綱引きの場合に1本の縄を反対方向に同じ力で引っ張りあった状態では、綱の位置は動きません。この状態が力のつりあい状態です(下図)。
・同一線上での綱引きでなくても、合力が反対方向で同じ大きさの力の場合にはつりあいます。
・力の三角形の合力と反対方向の力が働くときも力はつりあい状態となります。このとき力の多角形は同じ方向で閉じた状態となります(右下図参照)。
力のつりあいと機械装置の事例
・重たい可動部を高速かつ高精度に運動制御させる場合などに、可動部の重量の影響を少なくする狙いで、力のつりあいを応用した機構を持たせることがあります。
・特に、垂直方向に駆動制御する機構構造の場合、バネ力(下図参照)、エアーシリンダ力や滑車を持たせて反対側から錘でつりあい状態を持たせるなどの工夫をします。
リニアモータの高速駆動性能を引き出すために、垂直可動体の重量を軽くする 狙いでバネ懸架構造を採用。