ボールベアリングのトラブル事例(スピンドルべアリング固定ねじの緩み)を説明する。
図1にボールベアリングで支持された回転軸を、軸端に取り付けたタイミングベルトで駆動する回転スピンドルを示す。
図1.トラブルが発生した回転スピンドル構造
このスピンドルは組み合わせアンギュラ玉軸受を上部に、深溝軸受を下部に配置して、回転体を支持している。回転数は、3,000rpmの定速回転で、タイミングベルト駆動により、起動停止を繰り返す。べアリングの固定は、下端に配置したダブルナットで、アンギュラ玉軸受の内輪と深溝軸受の内輪をカラーを用いてねじを 締めあげて、固定している。回転軸の軸方向固定は、アンギュラ玉軸受の外輪をハウジングの段の端面に押さえ板の端面で押し当てて、固定している。両ボールベアリングの潤滑は、アンギュラ玉軸受と深溝軸受共にグリース潤滑で、深溝軸受はZZ型のグリース封入型を使用している。軸受の内外輪の公差はH7、h7の中間ばめとなっている。ここで使用中に固定ナットのダブルナットが緩み、両ころがり軸受の内輪の軸方向の固定が困難となり、この結果、回転軸の軸方向変位が発生した。
原因は、回転起動、停止時にダブルナットに、回転方向の力が加わることによって、ねじに緩みが生じた。
対策は、ダブルナットに変えて、図2に示す様にボールベアリング用ナットとボールベアリング用の菊座金を使用した。
図2.対策した回転軸受構造
このナットと座金は、図3にその外観写真と固定組み立て状態を示している。
図3.固定ねじ構造(拡大図)と菊座金とナット
座金により回転軸とナットを固定する構造で、ナットの菊形状の板を折り曲げてナットの溝に入れて、固定している。この固定法によって、強固な緩み止めが、可能となっている。
ダブルナット構造は、高速で起動停止を繰り返す回転軸の固定法としては適切な選択ではなく、強固な緩み止め機能を持つ構造のねじを選択しなければならない。
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