ベアリングの最大許容回転数｜選定のポイント（選定概要）

ボールベアリングの最高回転数とその考え方をボールベアリングの幾何学を元に説明する。
ボールベアリングの最高回転数が同程度の内径φ20のボールベアリングを取り上げてみると、表1に示す数字となっている。

表1.ボールベアリングの最高回転数

最高回転数を分類分けすると下記の表2のような結果になる。

表2.比較の基準ごとによる最大回転数の大小

高速回転に有利な軸受の分類は「アンギュラ玉軸受」、外径は「φ42」である。この軸受、外輪と転動体の接触面積が大きく、ボールの遠心力による荷重を広い面積で受けることが可能で、この結果荷重を面積で除した応力値を小さくできるからである。また、外径に関しては、外径が小さいほど転動体の直径が小さく、この結果転動体の重量が軽いことで、回転に伴う遠心力による発生力が小さいため、外輪と転動体の接触による応力が小さくできるためである。アンギュラ玉軸受は転動体重量が小さく、4乗に反比例して遠心力は小さくなる為、高速回転を実現できる。

軸受の回転により、転動体が回転する速度を図2を用いて説明する。

図1.回転軸受における転動体の運動

①

内輪が回転しているので内輪の速度は、V_Ⅰ=r x ω₀

②

外輪は固定なので、V₀=0

③

転動体は内輪と外輪の半分の速度で回転しているので、V_c=d/2 x ω₀

このV_cが転動体に遠心力を引き起こす原因となり、その原因の加速度は、
a=V_c²/r

図１に示す数字を代入すると、転動体に加わる加速度は以下の通り
a=rω₀²/4

と計算できる。この数字に転動体の重さを掛けた数字が、発生する遠心力で、転動体の重さが小さい方が、すなわち、ボールベアリングの外径が小さい方が、遠心力は小さい。

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