ベアリングの潤滑方法は、グリース潤滑と油潤滑がある。それぞれ特徴があるが、取扱いが容易で密封の設計がしやすいグリース潤滑がよく用いられる。一方ベアリング設置環境のグリースによる汚染が許されない場合、メーカーからグリースのもれにくいベアリングが提供されている。本記事では、グリース飛散防止のためのベアリングの選定からグリース潤滑と油潤滑の違いまでを解説する。
グリース飛散防止のためのベアリング選定のコツ
グリース飛散防止のベアリング選定には、まず密封装置が接触式のべアリングを選定する。
密封装置が接触式のベアリングは、内輪とゴムシールが接触することで隙間が無くなる。隙間をなくすことでグリースが外へ漏れ出ないようになり、飛散を防止する効果がある。一般的に入手しやすいことが特徴である。
グリース飛散による汚染防止の要求が特に厳しい場合、グリースが固形化されている特殊ベアリングがメーカーから供給されている。ベアリングが回転した熱や遠心力でグリースを徐々に供給するため、グリースが飛散しにくくなっている。グリース封入型ベアリングより飛散しにくいことが特徴である。
グリース潤滑と油潤滑の違いとは
ベアリングの潤滑には、グリース潤滑と油潤滑の2種類ある。その違いを以下の表1にまとめた。
表1.潤滑の種類
グリース潤滑 | 油潤滑 | |
---|---|---|
潤滑剤の寿命 | 比較的短い(開放形) | 長い |
潤滑剤の交換 | 比較的難しい(開放形) | 簡単 |
冷却効果 | 無し | 有り(循環が必要) |
密封装置の取付け | 簡易 | 比較的難しい |
グリース潤滑は、密封装置が簡素な構造なので最も多く使用されている潤滑剤である。ベアリングが開放形の場合だと一定期間毎に補充か交換が必要である。また補充の適切な量を守ることが必要で、補充量を間違えるとグリースの飛散や温度上昇などのトラブルが発生する。
油潤滑は、ベアリングを油に浸して使用する方法が多く、油を循環させることで冷却効果も得られることが特徴である。運転温度によって適切な粘度を選定する必要があり、選定を間違えると油膜切れや温度上昇などのトラブルが発生する。
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