- ① FA用ロボットの種類と用途
- ② 各駆動部の方式と構造
- ③ ハンド機能の一例
FA用ロボットの種類と用途
FAラインの各装置内あるいは各装置間において、ワークを精密に搬送するために“ロボット”が多用されています。
隣接装置間でのワーク(またはワークを収納したカセット・ストッカー等)受け渡し搬送や、装置内部における point to point のワーク精密搬送(および位置決め)等、
“ステージ”では対応しきれない3次元的長距離移載や重量物搬送といった用途向けに、各種目的に応じて多種多様な“ロボット”という精密搬送自動機が存在しています。
まずは、“産業用ロボット”として一般的によく知られているものをご紹介します。
例1) 垂直多関節ロボット
用途: ハンドリング/組立用途
例2) ガラス基板搬送用ロボット
用途: 液晶ガラス搬送
例3)パラレルリンク型ロボット
用途: ピック&プレース
一般的に産業用ロボットとして有名なのは、例1)のような垂直多関節型です。
6軸構成が一般的で、用途に応じてさまざまなタイプがラインナップされており、自動車製造ラインをはじめとしてあらゆる業界で生産設備に使用されています。
例2)はFPD(Flat Panel Display)生産ラインにて使用される大型液晶ガラス搬送用の双腕型ロボットです。
写真のように、複数のフィンガーを持つカーボン製ハンド形態で、液晶ガラス基板を吸着保持して搬送します。バッファーからピックアップしてカセットへ収納、といった用途で多用されます。
例3)は近年開発されたパラレルリンクという機構を採用したロボットです。
3系統に分かれたリンクの集合点である先端部にハンドを装着して使用します。その形態と運動機構から、装置の省スペース化および高速化に有効です。使用用途としては、食品関連あるいは小型部品(電子部品など)の高速ピッキングによる組立、整列などが代表的です。
これからさらに開発が進み、完成度(特に経路挙動や精度)が高くなることで、用途拡大が見込まれる新しいタイプのロボットです。