温度調節コントローラ 概要
ミスミの温度調節コントローラは、単相100V/200Vに最大電流20A、三相200Vに最大電流30Aの「温度調節計」を採用しております。
また、適応温度センサを自由に選択できる「自在タイプ」に統一致しました。「自在タイプ」は、シンプルさとコンパクト化をコンセプトに「コンパクトタイプ・2連タイプ・高電流対応タイプ」の3機種をラインナップしております。また、新商品の「自在・警報機能付コンパクトタイプ」は、警報出力端子を搭載致しました。
特長
多種類の温度センサや、様々な入力レンジが設定できますので、精度の良い温度コントロールを行うことができます。また、独自のセルフチューニング機能を有していますので、外乱により制御量にぶれが発生した場合でも、調節器が自動的にチューニングを行い制御量のぶれを収束(安定)させることができます。
更に、もし熱電対や測温抵抗体の断線(バーンアウト)が発生しても保護回路が働き、過加熱の防止をします。
●従来のPID制御とセルフチューニングの違い
仕様
制御 PID制御(セルフチューニング機能付)
定格 MTCS・MTCRM AC100V/200V 1φ ※20A
MTCD AC100V/200V 1φ ※20A×2回路
MTCH AC200V 3φ ※30A
※突入電流の無い抵抗負荷(最大値)
入力種類 熱電対 (K・J・R・T・N・S・B)
測温抵抗体(Pt100Ω, JPt100Ω)
※パネル設定により切替可
※出荷時は熱電対(K)
使用温度条件 0~30℃(但し結露なきこと)
過電流遮断 ブレーカースイッチ
回路
(MTCDは同回路が2系統)
●MTCS ●MTCD
●MTCRM
※最大電流値はヒータ(抵抗)負荷です。
●MTCH
結線
●センサとの接続
熱電対
+ 赤
− 白or黒
測温抵抗体
A 赤
B 黒or白
b 白or黒
(B、bは黒・白
どちらでも良い)
●警報動作との接続
(MTCRMのみ)
AL 警報用
●電源との接続
SSR(ソリッドステートリレー)による制御について
ON−OFF制御の形態をとった比例制御(時間比例制御)を用い設定値を中心とした比例帯の中で、ONとOFFの時間の長さを設定値との偏差に比例させて変化させる制御方法です。
このONとOFFの1サイクルの時間は一定で、この時間をサイクルタイムと呼んでいます。このサイクルタイムを仮に10秒と設定しますと、現在値が比例帯より低い範囲にある場合は、調節器からの出力は常にONの状態となります。また、現在値が比例帯より高い範囲にある場合は、調節器からの出力は常にOFFの状態となります。
比例帯内では温度により、ONとOFFの時間比率は、設定値との偏差に比例して変わります。例えば、現在値が設定値より低い場合、ON時間が7秒だとするとOFF時間は3秒となり、ON時間の方が長くなります。
保証
保証期間:出荷日より1年間。
保証条件:納入時に添付されている保証書のご提示。
保証対象:納入時に添付されている取扱説明書を遵守した使用方法によって起きた問題、故障。
正常な使用方法で、保証期間に故障が発生した場合は、回収の上修理または交換させて頂きます。
以下の場合は有償修理とさせて頂き、商品を回収の上、お見積りをさせて頂きます。
①保証条件外の要因で発生した故障で修理が可能な場合。
②保証期間を超えた商品で、修理が可能な場合。
安全性についてのお願い
本製品は万全を期しておりますが、全ての安全性が確保された製品ではありません。
例えば、本器に内蔵されておりますSSR(負荷開閉器)が破損しますとTIC(温度調節計)で制御しているにも関わらず温度が上昇してしまう等の事故も想定されます。こういった場合は、温度が設定温度以上になった時に本製品の一次側電源を遮断する安全回路を設ける等の配慮が必要です。
又、本製品は定格の最大電流値に近づくほど、本製品の発熱温度が上昇します。これにより他の機器に影響を及ぼしたり、寿命の低下等も想定されます。(10℃の温度低減で期待寿命が約2倍になると言われてます。アレニウス の法則)
本製品をより安全にご使用頂く為には定格に対して余裕をもった使い方や安全対策を配慮していただきますようお願い致します。また、配線作業は必ず電気配線の知識を持たれた方が行ってください。
電源プラグおよびコードは付属しておりません。ご使用になるヒータの容量に合わせてご選定ください。
次に示すような場合には特に安全性を配慮するようご注意ください。
●取扱説明書に記載のない仕様条件でのご使用。
●原子力や鉄道・車両・燃焼装置・医療機器でのご使用。
●人命や財産に大きな影響が予測され、特に安全性が要求される用途へのご使用。
●MTCD(2連タイプ)の注意点
1CHと2CHの電源は、必ず別々に配線してください。図の様に1CHと2CHの電源端子間を短絡して使用することは絶対にしないでください。1CHと2CHの電源容量が加算され、許容電源値を超えてしまい、発熱・発火の恐れがあります。