プラスチックを高熱で溶融させ金型で成形させたプラスチック成形品は高精度で量産性に富む生産方式です。このプラスチックに短繊維炭素を添加剤としたCFRP複合材料を金属材料に置換させる技術が実用化されつつあります。
(1)CFRP成形品とは
・CFRP成形品は、短繊維炭素による高強度と耐摩耗性を向上させたプラスチック成形品です。
・したがって、量産性に適しているため低コスト化も期待できます(図1)。
・しかし、一般のプラスチックやエンジニアリングプラスチックと異なるプラスチックの性質をもつため、金型構造の難しさや成形技術に難しさがあります。
・プラスチックの中に、高い炭素の繊維が10%~20%程度とたくさん含まれているため、樹脂が溶けても流れにくく、また、温度の変化に大きな影響を受けます。
・また、機械加工で切削加工することも難しい難削材料です。
・【図1】の下の写真から、直径3~5μm、長さは数100μmの短繊維炭素が見えます。
・「材料置換の軽量化技術-2(軽量化技術-3)」で解説したように強度が鉄よりも強い(4倍以上)、熱変位が小さいなどの特徴があり、金属材料との置き換えが進むものと期待されています。
・CFRP成形品は摺動部品や外装カバー、高温部のシール部品などへの応用が研究されています。